法テラスは自己破産の弁護士費用が安い!流れ・デメリットなどを解説

伊澤文平

監修者伊澤文平弁護士

ベンゴシNOW法律事務所

公開日:2024.01.10

|

最終更新日:2024.02.08

法テラスは自己破産の弁護士費用が安い!流れ・デメリットなどを解説

自己破産をするにしても、その際の弁護士費用をできるだけ安くしたいですよね。

そのように考え「法テラス」の利用を検討しているのではないでしょうか。

法テラスを使えば、相場に比べ約半額まで安くなりますし、生活保護受給者なら実質0円で自己破産できます

ただ、法テラスの利用には条件や審査、必要書類の準備などクリアすべき手続きやデメリットがあります。

そこで今回は、法テラスを使って自己破産する場合の費用感から手続きの流れに至るまで、網羅的に「法テラスと自己破産」の問題を解説します。

これを読めば、法テラスを利用して自己破産すべきか否か、するとしてどのように進めればいいのかがわかります。

【この記事でわかること】

  • 法テラスを使えば、予納金を除き最低15万5,000円から自己破産できる

  • 手続きの流れは、法テラスの窓口へ電話予約(0570-078374)をし、無料相談からスタート。その後の書類審査を通過すれば、担当の弁護士が自己破産の申立をしてくれる

  • デメリットとして書類審査に2週間〜1ヶ月かかるため、その間、貸金業者からの督促が止まらないこと。

  • 「管財事件」では、生活保護受給者を除き、予納金として20万円超の現金を用意しないと自己破産はできないので注意

法テラスでの無料相談やそれ以外のお得な法テラスのサービスについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をあわせてご覧ください。

無料の法律相談なら『マチベン法律相談』

スマホから弁護士に無料相談するには『マチベン法律相談』が便利!

『マチベン法律相談』は、完全無料24時間いつでも何度でも弁護士に相談できる新サービス。

スマホ完結で手軽なので、法テラスとの併用もおすすめ!

法テラスで自己破産の相談する前後にでもぜひご利用ください!

スマホから弁護士に無料で相談できる!

1.「法テラス」を使った自己破産手続きのメリット

法テラスとは

法テラス」とは、経済的に苦しい方を対象に、弁護士による法的サービスを無料または割安な金額で提供する国の施設です。

自己破産を検討しているような「経済的に苦しい方」であれば、原則として法テラスの以下3つのサービスを利用できます

いずれも利用者にとってメリットしかないサービスです。

【法テラス3つのサービス】

  • 無料相談サービス

  • 弁護士費用が安くなるサービス

  • 弁護士費用の立替払い

1)無料相談│30分×3回(90分)

一つ目の法テラスのサービスは、弁護士への無料相談です。

1回30分の相談を3回まで、合計90分も無料で受け付けています。

自己破産を検討している方は、無料で「自己破産の手続きの流れは?」や「自己破産以外の選択肢はないのか?」など踏み込んだ相談をじっくり弁護士にできます。

2)弁護士費用が安くなる│約50%OFF

相談後、法テラスを通して弁護士に自己破産の申立てを依頼したとしましょう。

この場合にかかる弁護士費用が、相場の約半額まで安くなります

詳細は後ほど解説しますが、最低15万5,000円から弁護士に自己破産の申立を依頼できます。

3)弁護士費用の立替払い│初期費用0円

半額になるとはいえ、15万円超の現金を用意するのは難しい方が多いでしょう。

法テラスを通せば、この弁護士費用をあなたに代わって担当弁護士に立替え払いしてもらえます。

その結果、初期費用0円で弁護士に自己破産の申立を依頼できます。

もっとも、法テラスがするのはあくまでも立替え払いです。

立替払いを受けた後、あなたは「法テラスに対し」毎月5,000円〜1万円を分割で返済しなければならないことには注意が必要です。

以上が自己破産を検討している方向けの法テラス3つのサービスです。

次の項目では、法テラスを通じて自己破産を依頼する際の弁護士費用がいくらで、どのくらい相場より安くなるのかを解説します。

なお、法テラスを使った場合の「弁護士費用」全般について詳しく知りたい方は、こちらの記事をあわせてご覧ください。

2.法テラスを使った自己破産の「弁護士費用・料金」

法テラスを使った自己破産の弁護士費用・料金

「自己破産」とは、裁判所による免責を通じて借金をゼロにするための手続きです。

自己破産では、弁護士が交渉する貸金業者やクレジットカード会社などの「債権者」の数に応じて弁護士費用の額が決まっています。

【弁護士費用の料金基準:自己破産】

債権者数

実費

着手金

合計

1~10社

23,000円

132,000円

155,000円

11社~20社

23,000円

154,000円

177,000円

21社以上

23,000円

187,000円

210,000円

  • 成功報酬は原則なし。ただし「過払金」を回収した場合、交渉では回収額の15%、訴訟では回収額の20%が成功報酬(いずれも【税別】)。

この表から、法テラスを使って自己破産手続きを依頼する場合の最低料金は155,000円であることがわかります。

もっとも、この金額の現金をあなたが予め用意する必要はありません。

立替払いのサービスにより、弁護士に依頼する際の初期費用は0円で自己破産の申立をしてもらえます。ご安心ください。

この金額がどのくらいお得なのかについて、以下の例では相場の半額ほど(約50%OFF)まで安くなっています。

  • 例:債権者10社、総400万円の負債があり、結局返済は不可能と判断し自己破産の申立をした。同時廃止のもと債務全額が免責された。

【比較表:自己破産の弁護士費用】

弁護士費用

の種類

法テラス”あり”

法テラス”なし”

実費

23,000円

23,000円

着手金

132,000円

270,000円

成功報酬

なし

50,000円

合計

155,000円

343,000円

自己破産の弁護士費用相場が30万円〜50万円なため、法テラスを使うとものすごく割安な金額で自己破産できることがわかります。

自己破産を検討している方で、法テラスを使わない手はないでしょう。

1)「予納金」を踏まえた自己破産の弁護士費用・料金

ただし、自己破産をする場合の費用面で注意しなければならないことがあります。

それは「管財事件」の場合、上記の弁護士費用とは別に「予納金」として以下の費用(合計計:21万859円)を裁判所へ原則として支払う必要があることです。

  • 破産管財人の報酬:20万円

  • 官報公告費用:11,859 円

しかも、予納金は法テラスによる立替払いのサービス対象外です。

初期費用0円といいましたが、管財事件では0円ではなく、21万859円もの現金を手元に用意しないと自己破産できないのです。

そうすると、あなたの自己破産手続きが「管財事件」なのかそうでないのかが関心ごとですよね。

管財事件」とは、ある程度まとまったお金や財産があり、破産管財人という管理者を置きながら破産手続きを進めるのが妥当な場合を意味します。

管財人を動かすためのいわば人件費として、先の予納金20万円超が必要になるのです。

反対に、まとまった財産がなく、管財を動かしてまで調査する必要もない案件では管財事件扱いになりません(これを「同時廃止(ドウジハイシ)」といいます。

具体的には、あなたの現金が33万円以上または20万円以上の資産がある場合に管財事件扱いとなります。

また、パチンコなどのギャンブルによる浪費によって多額の借金を負っているようなケースでは原則として管財事件になります。

以上を踏まえ、管財事件の場合にあなたが支払うべき合計の費用をまとめると以下になります。

【管財事件での費用(予納金含む):法テラス利用】

債権者数

実費

着手金

管財予納金

合計

1~10社

23,000円

132,000円

210,859円

365,859円

11社~20社

23,000円

154,000円

387,859円

21社以上

23,000円

187,000円

420,859円

自己破産を申し立てた個人のうち、管財事件になるのはわずか31.2%で、残り68.8%が同時廃止による自己破産となっています(※令和2年度司法統計)。

法テラスを使える方は、相場よりも手持ちのお金が少ない方なので、法テラス利用者の多くは管財事件扱いにならないでしょう。

過度に不安にならず、法テラスを使った自己破産の利用を検討してみてください。

2)自己破産の弁護士費用の「分割払い・返済」

法テラスを利用した自己破産では、予納金を除けば初期費用0円で弁護士に依頼できます。

ですが、初期費用がかからないだけで、弁護士費用が無料になるわけではありません。

立て替えてもらった分は法テラスに対し返済する必要があります。

返済は一括ではなく、月々5,000円または1万円を分割払いしていく形となります。

法テラスとの契約後2ヶ月の時点から返済がはじまり、事件終了後3年以内に全額完済するスケジュールになっています。

【法テラスへの返済条件】

返済条件

詳細

一括/分割

月々の分割払い

返済金額

月々5,000円または1万円

利息

なし

手数料

なし

返済開始時期

契約した2月後時点〜

返済方法

ゆうちょ銀行の口座引き落とし

引落し日

毎月15日/25日/27日

返済期間

事件終了から3年以内

3)生活保護受給者は弁護士費用が0円に(免除)

このように、立て替えてもらった弁護士費用については、原則として法テラスへの返済が必要です。

また、予納金20万円超については、立替えの対象にすらならず、これを用意できないと自己破産手続きが進められないことは先述のとおりです。

ただし、生活保護受給者はそもそもお金がないから法テラスを利用したいのに、返済、ましてや予納金の用意ができないと自己破産もできないというのは不合理です。

そのため、生活保護受給者については、予納金も立て替えてもらえる上、最終的に予納金および弁護士費用の返済も不要になる「免除」という制度を利用できます。

生活保護を受けている方であれば、以下の書類をお近くの法テラスへ提出するだけで、弁護士費用を免除してもらえます。

【生活保護受給者の免除申請書類】

  • 償還免除申請書

  • 生活保護受給証明書(直近3カ月以内)

→「償還免除申請書」はこちら

なお、生活保護を受けていないが、それに匹敵するぐらい経済的に苦しく、今後も回復見込みに乏しいことを証明できる方については、生活保護受給者と同じく弁護士費用を免除してもらえる場合があります。

その具体的な条件や手続きについて詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせてご覧ください。

2.法テラスを使って自己破産する場合の「流れ」

法テラスを使って自己破産する場合の流れ

法テラスを使って自己破産する場合の流れ・手続きは、2パターンあります。

  • 法テラスへ電話予約する(電話予約)

  • 法テラス契約弁護士の事務所へ直接予約する(持ち込み方式)

前者がオーソドックスな流れです。

最寄りの法テラスに電話して予約し、ランダムに割り当てられた担当弁護士に無料相談をして自己破産の申立を依頼していく流れです。

後者は「持ち込み方式」といわれるもので、まず「法テラス契約弁護士」が在籍する事務所を探し、そこに電話予約します。

予約後はその弁護士事務所で無料相談をし、自己破産の申立を依頼していく流れです。

持ち込み方式は、手間ではあるものの、あなたが好きな弁護士を選べるメリットがあります。

自己破産に強い弁護士に依頼したいなら、持ち込み方式をおすすめします。

どちらを選んでも無料相談ができて、かかる弁護士費用は変わらないのでご安心ください。

法テラスを利用する場合の流れについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をあわせてご覧ください。

1)法テラスへ電話予約する場合の流れ

法テラスへの予約 (法テラスの施設で無料相談する場合)

【法テラスで自己破産する場合の流れ】

  • お近くの法テラスか法テラスサポートダイヤル(0570-078374)へ電話予約

  • 日程調整後に、法テラスの指定する施設で無料相談(30分×3回まで)

  • 法テラスによる書類審査を受ける(2週間〜1ヶ月)

  • 審査通過後、弁護士費用等の立替え払いをしてもらえる

  • 弁護士が自己破産申立を開始(終了まで3〜6ヶ月)

まず、あなたの住所に近いお近くの法テラスもしくは、法テラスサポートダイヤル(0570-078374)へ電話予約をします。

「お近くの法テラス」から電話する方がスムーズにつながりますが、ここは好みでお選びください。

電話口で専門オペレーターから「あなたが経済的に余裕のない状況か」について、軽いヒアリングを受けます。

そこで問題なければ日程調整をし、指定の施設へ訪問して自己破産についての無料相談をします(※電話相談のオプションもあります)。

その後、担当弁護士が法テラスへ自己破産にかかる弁護士費用等の立替払いの申請をしてくれます。

あなたは担当弁護士からの指示に従い、必要書類を準備して提出し、書類審査の結果を待ちます。

結果が通知されるまでの期間は、最短2週間です。

審査を通過したら、法テラス・弁護士との間で契約をします。

あとは担当弁護士が自己破産の申立てを裁判所へしてくれます。

あなたが免責(借金が0円になる)され、自己破産が終わるまでの期間は、概ね3ヶ月〜6ヶ月です。

2)持ち込み方式の流れ

法テラスの利用手続き「持ち込み方式」

【持ち込み方式で自己破産する場合の流れ】

  • 法テラス契約弁護士を探す

  • その弁護士が在籍する弁護士事務所へ電話予約

  • 日程調整後に、弁護士事務所で無料相談(30分×3回まで)

  • 法テラスによる書類審査を受ける(2週間〜1ヶ月)

  • 審査通過後、弁護士費用等の立替え払いをしてもらえる

  • 弁護士が自己破産申立を開始(終了まで3〜6ヶ月)

前提として、持ち込み方式を使って無料相談ができるのは、法テラスと契約した弁護士(「法テラス契約弁護士」)が在籍する法律事務所だけです。

そのため、まず、法テラス契約弁護士を探すところからスタートします。

法テラス神奈川契約弁護士名簿」のように、契約弁護士名簿から探すか、名簿がない地域では「ひまわりサーチ」というサイトから探しましょう。

気になる弁護士がいれば、その事務所へ電話予約します。

その際「法テラスを使って自己破産の相談がしたい」旨を必ず電話口で伝えてください。

了承が得られたら、日程調整後、弁護士事務所へ訪問し、自己破産についての無料相談をします。

その後の流れは、法テラスの施設へ予約する場合と同じです。

弁護士が法テラスへ立替え払いの申請を行い、書類審査に通過すれば、予納金を除き初期費用0円で弁護士が自己破産の申立を進めてくれます。

3.法テラスを使って自己破産する「デメリット」

法テラスを使った自己破産のデメリット

メリットだらけに思われがちな法テラスですが、3つのデメリットがあります。

自己破産を検討している方は、これらデメリットを踏まえて、法テラスを使うべきか判断してください。

1)受任通知発送までに時間がかかる

法テラスを使うと、通常の場合に比べ貸金業者などへの「受任通知」の発送が2週間〜1ヶ月ほど遅くなるデメリットがあります。

遅くなる分、貸金業者などによる取り立てが止まらず、その間は引き続き借金の返済をしなければならないことを意味します。

法律上、弁護士があなたの代理人として受任した旨の通知を貸金業者へ送ると、貸金業者によるあなたへの取り立てや催促が禁止されます。

ですが、法テラスには書類審査があり、その審査期間中(2週間〜1ヶ月ほど)は、原則として弁護士は受任通知を発送してくれません。

そのため、法テラスを使って弁護士に自己破産申立ての依頼をする場合、審査期間の分だけ、受任通知の発送が遅れるデメリットがあるのです。

「すぐにでも取り立てを止めてほしい!」という場合には、法テラスを使って自己破産の申立を弁護士に依頼するのはおすすめできません。

2)管財事件の予納金は立替えの対象外

管財事件では、予納金として20万円超の現金を用意する必要があります。

あなたが生活保護受給者でない限り、法テラスを使ったとしても、予納金に限っては立て替え払いしてくれません

その結果、法テラスを通してもなお20万円超の現金を用意できない限り、結局、自己破産の申立はできないのです。

ただ、法テラスを使おうが使わなかろうが、生活保護受給者でない場合、この予納金の準備は避けて通れません。

そのため、予納金の問題は、法テラス固有のデメリットとは言い難く、過度に気にする問題ではないでしょう。

3)自己破産に強い弁護士を選べない

法テラス最大のデメリットは、原則として弁護士を選べないということです。

法テラスの施設で相談した場合、自己破産の申立をしてくれる弁護士は、法テラスの裁量によりランダムで決まるからです。

そのため、「自己破産に強い弁護士」に依頼したいと思っても、自己破産に詳しくない弁護士に当たるリスクがあります。

専門性による差はそこまで出ないものの、際どいケースでは自己破産に強いかどうかで結果に差が出ることがあります。

例えば、ギャンブルで多額の借金を負担しており、管財事件扱いとなって免責が厳しいケースでも、自己破産に強い弁護士なら管財扱いにならず(予納金が不要になる)、免責も獲得できることがあります。

ただし、持ち込み方式を使えば、法テラスの制度を使いつつ自己破産に強い弁護士を選べるため、このデメリットは問題になりません。

4)デメリットを踏まえた見解

以上のことから、法テラスを使うと受任通知の発送が遅れる点だけがデメリットといえます。

取り立てをいますぐ止めたいという方以外は、法テラスを使って自己破産を申し立てることを前向きに考えてよいでしょう。

4.法テラスを使った自己破産の「審査」について

法テラスを使った自己破産の審査について

自己破産の弁護士費用等について、法テラスの立替え払いを受けるためには書類審査を通過しなければなりません。

書類審査を通過するためには、それなりの手続き負担と時間を要します。

以下では、自己破産について法テラスを使う場合の審査にかかる期間、審査項目や必要書類について解説します。

1)審査期間│2週間〜1ヶ月

自己破産の弁護士費用等について立て替え払いをすべきかについての審査期間は、およそ2週間です。

ただし、法テラスの申請窓内が混雑している場合や、お盆やお正月、祝日といった期間を挟む場合、最大で1ヵ月程度かかることもあります。

審査期間の分だけ、受任通知の発送が遅れるため、すぐにでも貸金業者等による取り立てや催促を止めたい方は注意が必要です。

2)審査項目│自己破産で法テラスを使うための3つの「条件」

法テラスで自己破産の弁護士費用等の立て替え払いを受けるためには、以下3つの条件を満たしているかが審査されます。

【法テラスの審査項目:3つ条件】

  • 資力基準を下回っていること

  • 民事法律扶助の趣旨に適すること

  • 勝訴の見込み

この中でも「資力基準」が1番大事で、その他の2つの条件は、多くの場合クリアできるためサッと確認するにとどめます。

①資力基準を下回っていること

「資力基準」とは、あなたと配偶者の手取り収入および現預金の額が一定の基準を下回り、経済的に余裕のないことを示す基準です。

基準額は同居人数や、あなたの住まいが東京23区などの比較的大きな都市(活保護一級地)か、家賃・ローンを負担しているのかによって異なります。

以下の資力基準の表を見て、あなたと配偶者の「手取り」収入等が基準を下回っているかを確認してください。

【資力基準】

​​東京23区

同居の家族

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がない場合

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がある場合

資産要件(預金など)

単身者

20万200円以下

25万3,200円以下

180万円以下

2人家族

27万6,100円以下

34万4,100円以下

250万円以下

3人家族

29万9,200円以下

38万4,200円以下

270万円以下

4人家族

32万8,900円以下

42万900円以下

300万円以下

​​東京23区以外の「生活保護の一級地」

同居の家族

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がない場合

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がある場合

資産要件(預金など)

単身者

20万200円以下

24万1,200円以下

180万円以下

2人家族

27万6,100円以下

32万9,100円以下

250万円以下

3人家族

29万9,200円以下

36万5,200円以下

270万円以下

4人家族

32万8,900円以下

39万9,900円以下

300万円以下

上記以外の地区

同居の家族

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がない場合

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がある場合

資産要件(預金など)

単身者

18万2000円以下

23万3,000円以下

180万円以下

2人家族

25万1000円以下

30万4,000円以下

250万円以下

3人家族

27万2000円以下

33万8,000円以下

270万円以下

4人家族

29万9000円以下

37万円以下

300万円以下

基準額以下であれば「経済的に余裕がない」と判断され、この条件はクリアです。

なお、資力基準をはじめ、法テラスの利用条件について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

②民事法律扶助の趣旨に適すること

「民事法律扶助の趣旨に適すること」とは、弁護士へ依頼する「目的」が不当かどうかをスクリーニングするための条件です。

権利の実現ではなく、単なる相手方への嫌がらせや売名などの宣伝目的のみの場合には、法テラスの趣旨に合わないため、この条件を満たしません。

自己破産の案件では、この条件をあまり気にする必要はなく、問題なくクリアする方が多いでしょう。

③勝訴の見込みがないとはいえないこと

「勝訴の見込み」とは、弁護士に案件を依頼した場合に紛争解決の見込みがあることをいいます。

弁護士をつけても解決しようもない案件について、税金で運営される法テラスのサポートをするのは不適切だからです。

ギャンブル癖で多額の借金を繰り返し、自己破産の申立をしても「明らかに」免責されないなどの案件を除き、多くの場合この条件はクリアできるでしょう。

この3つの条件を満たしている場合には、法テラスの書類審査は通過し、弁護士費用等の立て替え払いを受けられます。

審査通過後は、管財事件でなければ、初期費用0円で弁護士が自己破産の申立を開始してくれます。

3)法テラスを使った自己破産の「必要書類」

以上の法テラスの審査は書類をもとに行われれます

【法テラスの必要書類:自己破産】

  • 収入を証明する書類

  • 資力申告書

  • 住民票の写し(世帯主全員※マイナンバーなし)

  • 分割返済に使う口座に関する書類

  • 債務一覧表

必要書類の中心は、給与明細や生活保護受給証明書などの収入を証明する書類です。

あなたの働き方がサラリーマンであれば給与明細、生活保護受給者なら受給証明といったように、働き方に応じて異なります。

【収入を証明する書類の一例】

  • 給与明細(直近2か月分)

  • 確定申告書の写し(直近1年分)

  • 生活保護受給証明書

  • 非課税証明書(直近のもの)

  • 年金証書(直近のもの)

次に、資産を証明するための資力申告書です。

以下よりダウンロードして記入してください。

→「資力申告書」はこちら

また、世帯主全員が記載された住民票(マイナンバーの記載なし)や、法テラスへの返済時に必要な「通帳の写し」と「自動払込利用申込書兼預金口座振替依頼書の写し」も求められます。

記入例

最後に、自己破産案件における勝訴の見込みを判断するための材料として「債務一覧表」を提出すれば、すべて必要書類が揃います。

→「債務一覧表」はこちら

債務一覧表の記入例・書き方のポイント

詳しくは担当弁護士に聞けば細かく指示をしてくれるので、指示に従って一つずつ準備すれば問題ありません。

なお、法テラスの書類審査で集めるべき必要書類ついて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

5.法テラスを使った自己破産はこんな人におすすめ!

法テラスを使った自己破産こんな人におすすめ!

自己破産を検討している方のうち、資力基準を満たしている前提で、以下の方には、法テラスの利用をおすすめします。

  • とにかく弁護士費用を安く抑えたい

  • 生活保護受給者の方

  • 受任通知の発送まで2週間から1ヶ月待たされても問題ない

法テラスを使えば、予納金を除き初期費用0円で、弁護士費用も相場の半額ほどの安さで自己破産の申立をしてもらえます。

しかも、生活保護受給者は、予納金も含め弁護士費用が実質0円になります。

そのため、生活保護受給者はもちろん、弁護士費用をとにかく抑えたい方には、法テラスの利用を強くおすすめできます。

もっとも、書類審査の待ち時間があるため、その分だけ弁護士による受任通知の発送が遅れます。

その期間は、債権者による取り立てが止まらないため、それを我慢できることが前提となります。

また、持ち込み方式を使えば、自己破産に強い弁護士にも依頼できます。

弁護士の専門性にこだわりのある方でも、法テラスの利用をおすすめできます。

契約弁護士を探す手間をのむことで、専門性を追求しつつ法テラスによる費用上のメリットを受けられるからです。

よくある質問

法テラスを使った自己破産についてよくある質問をまとめました。

Q

無職や専業主婦でも、法テラスを使って自己破産できますか?

無職や専業主婦の方でも、資力基準などの利用条件を満たす限りで、法テラスを使って自己破産できます。ただし、ご自身の収入や資産が乏しい場合でも、配偶者の収入・資産が基準を上回っている場合には、法テラスを利用できません。資力基準について詳しく知り方は、こちらをご覧ください。

Q

ギャンブルが原因の借金がある場合でも、法テラス使って自己破産できますか?

ギャンブルが原因の借金がある場合でも、法テラス使って自己破産はできます。なぜなら、「ギャンブルによる借金がないこと」は法テラスの利用条件ではないからです。ただし、管財事件扱いとなるため、予納金として20万円超の現金が必要になります。しかも、予納金は法テラスの立替え払いの対象外です。また、ギャンブルにより負担した借金の額が多額の場合には、免責不許可事由となりその分の借金を免れることができない可能性があることには注意が必要です。

Q

法テラスで自己破産するにはいくらかかりますか?どのくらい安いですか?

法テラスを使って自己破産をする場合の弁護士費用は15万5000円〜21万円です。貸金業者などの債権者の数に応じて弁護士費用の額が決まります。相場が30万円〜50万円ほどなので、法テラスを使うと自己破産の弁護士費用は半額ほどまで安くなることがわかります。

Q

法テラスで自己破産をするメリットは?

費用面のメリットが大きいです。法律相談が30分×3回まで無料になり、かつ、弁護士費用も相場の半額程度まで安くなるというメリットがあります。相場が30万円〜50万円なところ、法テラスを使って自己破産をする場合の弁護士費用は、15万5000円〜21万円しかかかりません。しかも、立て替え払いもしてくれるため、初期費用0円で弁護士に自己破産の申立てをしてもらえる点もメリットです。

Q

自己破産の法テラスの支払いは?

法テラスへの支払いは、月々5,000円〜1万円の分割払いです。法テラスとの契約後2ヶ月目から返済が開始し、自己破産の手続き終了後から原則3年以内での返済を目指します。ただし、生活保護受給者等については、この返済すら不要になる「免除」の制度を利用することもできます。免除について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

Q

2回目の自己破産でも法テラスを利用できますか?

自己破産が2回目であっても、利用条件を満たす限り、法テラスは利用できます。ただし、2回目の自己破産の中で免責されるかどうかは別問題で、免責の可能性は低くなります。例えば、現時点から7年以内に免責された1回目の自己破産が行われている場合や、1回目と同じ理由での自己破産については、免責は認められないのが原則です。例外として、裁判所が、2度も多額の借金を負うことになった経緯や反省の有無、具体的な対策の有無など様々な事情を考慮し、免責を認めてくれることが稀にあるにとどまります。

Q

法テラスへの支払いを滞納した場合どうなる?

法テラスからは段階的に警告を受けます。まず、電話や文書、来訪による督促や、法テラスから委託された協力会社による入金の催促などソフトな手段で警告を受けます。支払い期限を1日遅れるたびに、年率3%の遅延損害金も発生します。この法テラスによるソフトな手段での注意にもかかわらず、滞納を続ける場合、法テラスからあなたが訴えられます。返済できない理由があるなら、必ずお近くの法テラスへ電話してください。

まとめ

これまで解説してきた「法テラスと自己破産」の問題について、まとめます。

法テラスを使えば、まず、自己破産に関する相談を30分×3回も無料でできます。

相談後、自己破産を弁護士に依頼する場合、その際の弁護士費用は相場の半額程度まで安くできます。

具体的には、弁護士費用の相場が30万〜50万円なところ、最低155,000円から自己破産の申立ができます。

しかも書類審査を通過すれば、安くなった弁護士費用の立て替え払いをしてもらえるため、初期費用0円で自己破産を開始できます。

もっとも、管財事件については、予納金として現金20万円超を準備する必要があり、予納金は原則として立替えの対象にもなりません。

そのため、予納金を用意できないと、いくら法テラスを利用しても、自己破産の申立ができないことに注意が必要です。

ただし、生活保護受給者であれば、予納金も立て替え払いの対象になります。

しかも、生活保護受給証明書などを法テラスへ提出することで、弁護士費用の支払い義務も免除してもらえます。

法テラスを利用する場合の流れは、法テラスの施設へ電話予約する方法と持ち込み方式の二つがあります。

自己破産に強い弁護士を選べる「持ち込み方式」がおすすめです。

いずれの方法でも、立て替え払いのメリットを受けるためには、法テラスの書類審査を通過する必要があります。

審査には2週間〜1ヶ月の期間がかかります。

審査項目は3つあり、あなたが経済的に苦しい状況にあることを示す「資力基準」をクリアできるかが大切です。

条件をクリアしていることを示すために、収入や資産に関する資料が必要書類として求められます。

書類審査に通過すれば、弁護士費用の立て替え払いが行われます。

後は、担当の弁護士が自己破産の申立てをしてくれるので、弁護士の指示に従って手続きを進めてください。

法テラスは、自己破産の弁護士費用を抑えたい方にとって最適な手段です。

審査期間の時間だけ、受任通知の発送が遅れるデメリットもあります。

このデメリットをのめる方であれば、法テラスを使った自己破産を強くおすすめします。

無料の法律相談なら『マチベン法律相談』

スマホから弁護士に無料相談するには『マチベン法律相談』が便利!

『マチベン法律相談』は、完全無料24時間いつでも何度でも弁護士に相談できる新サービス。

スマホ完結で手軽なので、法テラスとの併用もおすすめ!

法テラスで自己破産の相談する前後にでもぜひご利用ください!

スマホから弁護士に無料で相談できる!