法テラスの弁護士費用はいくら?料金の基準・目安をわかりやすく解説

伊澤文平

監修者伊澤文平弁護士

ベンゴシNOW法律事務所

公開日:2023.12.28

|

最終更新日:2024.05.05

法テラスの弁護士費用はいくら?料金の基準・目安をわかりやすく解説

弁護士に安く依頼したい、できれば無料で依頼したい。

そのように考えて「法テラス」を使う場合の弁護士費用(料金)について調べているのではないでしょうか。

結論として、弁護士費用は法テラスを使っても無料にはなりませんが、相場の半額程度まで安くなります

ですが、離婚・相続・任意整理(債務整理)や自己破産など、お悩みの内容次第で弁護士費用の料金が異なります。

そこで以下では、お悩みの内容ごとに、法テラスを使った場合の弁護士費用の料金基準を解説していきます。

【この記事でわかること】

  • 法テラスを使うと、弁護士費用はおおむね相場の半額になること

  • お悩みごとの弁護士費用の料金がいくらかわかる

  • 法テラスの利用条件や手続きの概要

  • 法テラス以外で弁護士費用を節約する3つの方法がある

なお、法テラスの無料相談を含め法テラスで無料できること・できないことについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をあわせてご覧ください。

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1.法テラスで安くなる「弁護士費用」とは

法テラスとは

まず「弁護士費用」とは、弁護士に支払う費用のうち主に以下の費目を指します。

【弁護士費用とは】

  • 実費:交通費、日当その他の費用

  • 着手金:依頼時に支払う費用

  • 成功報酬:案件の成功時に支払う費用

実費」とは実費は、弁護士が案件を処理する際に発生する費用です。

代表例は交通費ですが、通信費のほか、郵便切手代、裁判をする場合に必要な収入印紙代、保証金や供託金などが含まれます。

着手金」とは、弁護士に依頼する際に支払う報酬で、結果の成功・不成功にかかわらず発生する費用です。

よくある内金や手付金とは異なり、買っても負けても原則返金されない性質のものです。

成功報酬(報酬金)」とは、結果の成功度合いに応じて支払う報酬のことをいいます。

弁護士業界でよくある成功報酬は、相手から回収できた金額の10%を成功報酬(報酬金)とすることです。

以下では、お悩みの内容ごとに、法テラスを使う場合の弁護士費用をテーブルにまとめました。

事案によって異なるものの、おおむね法テラスを使った場合、弁護士費用の相場より半額程度(50%OFF)にまで安くなります。

以下の目次から気になるところに飛び、法テラスを使った場合の弁護士費用について確認してください。

【お悩み別の弁護士費用】

2.離婚・養育費等の家事事件の弁護士費用

①家事事件の弁護士費用

離婚、婚姻費用や子どもの養育費・面会交流などに関する家庭内トラブルを「家事事件」といいます。

家事事件については、弁護士をつけて裁判所に申立をする際の方法(調停、訴訟など)や、どの段階から弁護士に依頼したかにより、法テラスの弁護士費用の金額が決まります

【弁護士費用の料金基準:家事事件】

手続き

費用の種類

法テラス”あり”

法テラス”なし”

調停

実費

20,000円

20,000円

着手金

110,000円

220,000円

成功報酬

88,000円 or 回収金の10%

(いずれか大きい方)

210,000円

合計

218,000円

450,000円

調停不調後の

訴訟(本訴)

実費

35,000円

(被告側:20,000円)

35,000円

(被告側:20,000円)

着手金

165,000円

120,000円

成功報酬

88,000円 or 回収金の10%

(いずれか大きい方)

350,000円

合計

288,000円

505,000円〜

訴訟のみ

実費

35,000円

(被告側:20,000円)

35,000円

(被告側:20,000円)

着手金

231,000円

300,000円

成功報酬

88,000円 or 回収金の10%

(いずれか大きい方)

360,000円

合計

354,000円

695,000円

離婚などはプライバシーに大きく関わる問題です。

そのため、離婚などの争いは、非公開で行われる「調停」手続きからスタートするのが原則です。

調停でうまくまとまらない場合にはじめて、裁判所に「訴訟(本訴)」を起こしていく流れとなります。

調停・訴訟それぞれの手続きごとに、表記載の弁護士費用がかかることに注意してください。

離婚調停でいえば、着手金110,000円で弁護士に依頼することができます。

通常の場合が220,000円なので、費用が相場の半額まで安くなっていることがわかります。

【関連減額】

手続き

費用の種類

減額”後”の着手金

減額”前”の着手金

(1)離婚調停

着手金

110,000円(減額なし)

110,000円

(2)婚姻費用分担請求調停

着手金

55,000円(50%減額)

110,000円

(3)面会交流調停

着手金

55,000円(50%減額)

110,000円

また、同じ調停や訴訟手続き内でも、相手に求める権利の数が増えれば、追加で弁護士費用が発生します。

例えば、離婚調停の中で、離婚のほか婚姻費用分担請求の2つの権利を主張する場合、着手金についていえば、(1)離婚:110,000円のほか、(2)婚姻費用分担請求:110,000円の合計220,000円がかかります。

ただし、2つ目以降の権利に関する着手金については、相応の減額がされます(「関連減額」といいます)

同じ手続きの中で主張することであり、弁護士の活動負担もそこまで多くならないだろうという配慮です。

②DNA鑑定の費用

離婚調停等において、父子関係の存否を証明するために「DNA鑑定」が広く使われます。

DNA鑑定の費用の相場は10万円程度とされています。

鑑定料は、原則としてDNA鑑定を申し出た方が負担します。

【DNA鑑定費用:料金基準と比較表】

DNA鑑定

法テラス”あり”

法テラス”なし”

1回

100,000円※

100,000円

DNAの鑑定料は、法テラスを使ったからといって安くなるわけではなく、金額は同じです。

ただし、仮に法テラスを使った場合、DNA鑑定料は523,808円までを上限として法テラスが立て替えてくれるメリットはあります。

その後、あなたは法テラスに対して月々5000円〜の範囲で分割払いすることになります。

3.債務整理の弁護士費用

借金トラブルについて、弁護士を入れて債務の減額などをする手続きを「債務整理」といいます。

そのうち、裁判所を介さず貸金業者などとの話し合いで減額する方法を「任意整理」、裁判所を介して減額する手続きを「法的整理(個人再生+自己破産)」といいます。

以下では、これらの弁護士費用が法テラスを利用した場合いくらになるのかについて解説します。

1)任意整理の弁護士費用

任意整理では、弁護士が交渉する貸金業者やクレジットカード会社などの「債権者」の数に応じて弁護士費用の額が決まります

【弁護士費用の料金基準:任意整理】

債権者数

(借入先の数)

実費

着手金

合計

1社

10,000円

33,000円

43,000円

2社

15,000円

49,500円

64,500円

3社

20,000円

66,000円

86000円

4社

20,000円

88,000円

108,000円

5社

25,000円

110,000円

136,000円

6~10社

25,000円

154,000円

179,000円

11~20社

30,000円

176,000円

206,000円

21社以上

35,000円

198,000円

233,000円

  • 成功報酬は原則なし。ただし「過払金」を回収した場合、交渉では回収額の15%、訴訟では回収額の20%が成功報酬(いずれも【税別】)。

法テラスを利用すれば、弁護士をつけての任意整理が最低43,000円から利用できる計算になります。

法テラスを利用しなかった場合と比較したときの任意整理の弁護士費用は、以下の例では、相場の約15%ほどまで安くなります

  • 例:債権者10社、総400万円の負債。200万円の過払金があって取り戻せた

【比較表:任意整理の弁護士費用】

弁護士費用

の種類

法テラス”あり”

法テラス”なし”

実費

25,000円

25,000円

着手金

15,4000円

180,000円

成功報酬

300,000円

340,000円

合計

479,000円

550,000円

2)個人再生の弁護士費用

個人再生」とは、裁判所に申し立てることで、借金の総額をおおむね10%〜20%に減額してもらうための手続きです。

減額された借金は、原則として3年(最長5年)かけて完済していきます。

個人再生では、弁護士が交渉する貸金業者やクレジットカード会社などの「債権者」の数に応じて弁護士費用の額が決まります

【弁護士費用の料金基準:個人再生】

債権者数

(借入先の数)

実費

着手金

合計

1~10社

35,000円

165,000円

200,000円

11~20社

35,000円

187,000円

222,000円

21社以上

35,000円

220,000円

255,000円

  • 成功報酬は原則なし。ただし「過払金」を回収した場合、交渉では回収額の15%、訴訟では回収額の20%が成功報酬(いずれも【税別】)。

法テラスを使えば最低20万円から弁護士をつけての個人再生手続きを利用できます。

法テラスを利用しない場合と比較したときの個人再生の弁護士費用は、以下の例では、相場の半額ほどまで安くなります

  • 例:債権者10社、総400万円の負債があり、個人再生を申し立てた。最終的に残債100万円を3年かけて返済していく旨の再生計画が認可された

【比較表:個人再生の弁護士費用】

弁護士費用

の種類

法テラス”あり”

法テラス”なし”

実費

35,000円

35,000円

着手金

165,000円

26,0000円

成功報酬

なし

90,000円

合計

200,000円

385,000円

3)自己破産の弁護士費用

「自己破産」とは、裁判所による免責を通じて借金をゼロにするための手続きです。

自己破産では、弁護士が交渉する貸金業者やクレジットカード会社などの「債権者」の数に応じて弁護士費用の額が決まります

【弁護士費用の料金基準:自己破産】

債権者数

実費

着手金

合計

1~10社

23,000円

132,000円

155,000円

11社~20社

23,000円

154,000円

177,000円

21社以上

23,000円

187,000円

210,000円

  • 成功報酬は原則なし。ただし「過払金」を回収した場合、交渉では回収額の15%、訴訟では回収額の20%が成功報酬(いずれも【税別】)。

自己破産をする場合の費用面で注意しなければならないことがあります。

それは管財事件の場合、上記の弁護士費用とは別に「管財予納金」という破産管財人への報酬20万円と官報公告費用11,859 円(合計:21万859円)を裁判所へ原則として支払う必要があることです。

生活保護受給者でない限り、弁護士費用とは別に21万859円もの現金を用意する必要があるのです。

しかも、これは後述する法テラスの「立替え」サービスの対象にもならないため、まるまる20万円超の現金を用意できないと破産すらできないことになります。

以上を踏まえ、管財事件の場合にあなたが支払うべき合計の費用をまとめると以下になります。

【管財事件での費用総額(法テラス利用)】

債権者数

実費

着手金

管財予納金

合計

1~10社

23,000円

132,000円

210,859円

365,859円

11社~20社

23,000円

154,000円

387,859円

21社以上

23,000円

187,000円

420,859円

  • 「管財事件」は、あなたの現金が33万円以上または預貯金等の合計が20万円以上の場合に管財事件扱いとなります。

とはいえ、管財事件でない限り、法テラスでは最低15万5,000円で自己破産できます。

法テラスを利用しない場合と比較したときの自己破産の弁護士費用は、以下の例では、相場の半額ほどまで安くなります

自己破産において法テラスを使わない手はないでしょう。

  • 例:債権者10社、総400万円の負債があり、結局返済は不可能と判断し自己破産の申立をした。同時廃止のもと債務全額が免責された。

【比較表:自己破産の弁護士費用】

弁護士費用

の種類

法テラス”あり”

法テラス”なし”

実費

23,000円

23,000円

着手金

132,000円

270,000円

成功報酬

なし

50,000円

合計

155,000円

343,000円

法テラスを使った自己破産について詳しく知りたい方は、こちらの記事をあわせてご覧ください。

4.相続放棄その他相続の弁護士費用

「相続」に関するお悩み・トラブルはたくさんあります。

本記事では、その中でも特に相談の多い相続放棄と遺産分割に限定して、法テラスを使った場合の弁護士費用を解説します。

1)相続放棄の弁護士用

相続放棄」とは、相続によって生じるプラス・マイナスの財産を承継しない旨の意思表示です。

相続放棄をするには、相続開始を知った日から3か月以内に、家庭裁判所に申し立てる必要があります。

法テラスを使って相続放棄をする場合、放棄をしたい人の数に応じて弁護士費用が決まるのが通常です。

【弁護士費用の料金基準:相続放棄】

費用の種類

法テラス”あり”

法テラス”なし”

実費

10,000円

10,000円

着手金

33,000円

75,000円

合計

43,000円〜

85,000円〜

法テラスを使えば、相続人1名あたり最低43,000円から弁護士に相続放棄を依頼できます。

法テラスを使えば、調査すべき財産が多いなどの複雑な案件でない限り、弁護士費用の相場に比べて約半額まで安くなります。

2)遺産分割の弁護士費用

遺産分割」とは、相続人の間で遺産を分けるための手続きです。

遺言書(いごんしょ)がある場合には、その内容通りに分割します。

これがない場合、相続人間の取り決め(協議、調停、審判等)を通じて、遺産を分割していきます。

法テラスでは、その取り決めをする際の弁護士費用は、あなたが得られるであろう経済的利益の額(「訴額」といいます)に応じて決まります

【弁護士費用の料金基準:遺産分割】

訴額

(得られる経済的利益)

実費

着手金

合計

50万円未満

25,000円

66,000円

91,000円

50万円以上100万円未満

35,000円

99,000円

125,000円

100万円以上200万円未満

35,000円

132,000円

167,000円

200万円以上300万円未満

35,000円

165,000円

200,000円

300万円以上500万円未満

35,000円

187,000円

222,000円

500万円以上1000万円未満

35,000円

220,000円

255,000円

1000万円以上

35,000円

242,000円

277,000円

  • 成功報酬は、原則として88,000円 or 回収金の10%(いずれか大きい方)です。ただし、取得した財産が3000万円を超える部分については、超える部分の6%【税別】を加算します。

法テラスを使えば最低9万1,000円から弁護士に遺産分割の依頼ができます。

法テラスを利用しない場合と比較したときの遺産分割に関する弁護士費用は、以下の例では、相場の30%ほどまで安くなります

  • 例:遺産の範囲について争いがあり、300万円の財産をあなたが取得した事例。

【比較表:遺産分割の弁護士費用】

費用の種類

法テラス”あり”

法テラス”なし”

実費

35,000円

35,000円

着手金

187,000円

240,000円

成功報酬

300,000円

480,000円

合計

522,000円〜

755,000円

5.内容証明・公正証書作成の弁護士費用

紛争の相手方に郵送する書面である「内容証明」と、公証役場からのお墨付きをもらった書面である「公正証書」について、法テラスを使った場合の弁護士費用を解説します。

1)内容証明作成の弁護士費用

内容証明」とは、郵便局の方で、あなたが誰に対して、いつ、どんな内容の文書を送ったかを公的に証明してくれる郵送方法です。

原則、どんな内容の書面でも内容証明郵便を利用できます。

法テラスでは、弁護士に「あなた名義の、簡単で手間のかからない」内容証明の書面を作成してもらう場合、弁護士費用は作成する書面の数に応じて決まります

内容証明作成の弁護士費用は、1通あたり2,200円【税込】です。

【弁護士費用の料金基準:内容証明の作成】

書面の数

法テラス”あり”

法テラス”なし”

1通

2,200円

30,000円

  • 郵送費用は別途かかりますし、郵送手続きもご自身でやる必要があります。

以下の事例での内容証明作成の弁護士費用は3万円です。

法テラスを利用した場合が2,200円なので、約90%も安くなる計算です

  • 例:知人に300万円を貸したところ、期限までに返済しなかったので、督促のための内容証明を作成してもらった

しかも、生活保護を受給している方の場合、生活保護の受給証明書を提出すると、2,200円の自己負担分について免除を受けることもできます。

ただし、法テラスで1通2,200円の金額で内容証明を作成するには、書面作成が紛争解決に資することのほか、以下の条件を満たす必要があることには注意です。

  • 法律相談の時間中に作成できる簡易な書面

  • 本人名義に限る(⇔弁護士名義)

法テラスの法律相談は1回30分です。

この時間の中で、担当弁護士が面談の場で作成できるレベルの簡単な文書しか依頼できません。

また、弁護士の名前を書面に書くことはできず、あくまでもあなたの名義になります。

この条件に収まる内容証明の文書なら、1通2,200円で作成してもらえます。

以上に対して、「弁護士名義」での書面を希望したり、弁護士に交渉まで依頼したい場合、後で説明する「示談交渉」の報酬テーブルが適用されます。

2)公正証書の作成費用

公正証書」とは、個人等の依頼に基づいて公務員である公証人がその権限にもとづいて作成した文書です。

公正証書には、高い証明力と執行力が与えられます。

公正証書にできる書面の種類はさまざまで、例えば借用書や離婚の慰謝料・養育費についての合意書など。

公正証書はあくまでも公証人が作成しますが、「その原案となる書面」の作成については、法テラスを通じて弁護士に依頼できます。

公正証書の原案作成に関する弁護士費用は、1通につき2,200円【税込】です。

法テラスを使わない場合の原案作成の相場が3万円程なので、約90%も安くなる計算です

なお、生活保護の受給証明書を提出すると、2,200円の自己負担分について免除を受けることもできます。

【弁護士費用の料金基準:公正証書の原案】

書面の数

法テラス”あり”

法テラス”なし”

1通

2,200円

30,000円

これに対して、原案作成を超えて公証人との交渉まで依頼する場合の弁護士費用は、108,000円となることには注意してください。

【弁護士費用の料金基準:公正証書】

実費

着手金

合計

20,000円

88,000円

108,000円

  • 成功報酬は、原則として88,000円 or 回収金の10%(いずれか大きい方)です。ただし、取得した財産が3000万円を超える部分については、超える部分の6%【税別】を加算します。

いずれの場合によせ、公正証書を作成する場合には、弁護士費用だけでなく、以下の公証人への手数料を支払う必要があります

【公証人の基本手数料】

目的の価額

手数料

100万円以下

5,000円

100万円を超え200万円以下

7,000円

200万円を超え500万円以下

11,000円

500万円を超え1000万円以下

17,000円

1000万円を超え3000万円以下

23,000円

3000万円を超え5000万円以下

29,000円

5000万円を超え1億円以下

43,000円

1億円を超え3億円以下

4万3000円に、

5000万円ごとに1万3000円を加算

3億円を超え10億円以下

9万5000円に、

5000万円ごとに1万1000円を加算

10億円を超える場合

24万9000円に、

5000万円ごとに8000円を加算

  • これ以外にも、証書の加算による加算、謄本交付手数料がかかる場合があります。

弁護士費用と公証人への手数料の合計が、公正証書作成にかかるすべての費用となります。

6.労働審判その他の労働問題の弁護士費用

1)労働審判の弁護士費用

労働審判」とは、労働者と使用者たる会社との間で発生した労働トラブルを迅速に解決するための手続きです。

労働トラブルは、通常の訴訟では解決まで1年以上かかることが多いです。

これに対して、労働審判では3か月以内に解決するのが通常です。

労働審判では、弁護士費用13万円で弁護士に申立から解決までを依頼できます。

【弁護士費用の料金基準:労働審判】

実費

着手金

合計

20,000円

110,000円

130,000円

  • 成功報酬は、原則として88,000円 or 回収金の10%(いずれか大きい方)です。ただし、取得した財産が3000万円を超える部分については、超える部分の6%【税別】を加算します。

労働審判の弁護士費用の相場は、着手金約30万円、成功報酬約50万円、合わせて合計約80万円ほどです。

着手金ベースでは、法テラスを使うと相場の約40%ほどまで弁護士費用が安くなる計算です。

2)労働問題の弁護士費用

労働問題」とは、解雇や未払い残業代などの労働者と使用者たる会社とのトラブル全般を指します。

労働問題について法テラスを使って弁護士に依頼する場合には、原則として、その争いであなたが得られる「経済的利益」に応じて弁護士費用が決まります

【弁護士費用の料金基準:労働問題】

訴額

(得られる経済的利益)

実費

着手金

合計

50万円未満

25,000円

66,000円

91,000円

50万円以上100万円未満

35,000円

99,000円

125,000円

100万円以上200万円未満

35,000円

132,000円

167,000円

200万円以上300万円未満

35,000円

165,000円

200,000円

300万円以上500万円未満

35,000円

187,000円

222,000円

500万円以上1000万円未満

35,000円

220,000円

255,000円

1000万円以上

35,000円

242,000円

277,000円

  • 成功報酬は、原則として88,000円 or 回収金の10%(いずれか大きい方)です。ただし、取得した財産が3000万円を超える部分については、超える部分の6%【税別】を加算します。

労働問題について法テラスを使えば、最低9万1,000円から弁護士に依頼できます。

以下では、解雇の無効、残業代未払いを請求する事案において、法テラスを使うとどのくらい安くなるのかを見てみましょう。

①不当解雇争う場合の弁護士費用

  • 例:解雇:懲戒解雇の無効を主張し、最終的に解雇は撤回した上で、依頼者は任意退職し、退職金200万円・解決金200万円を回収した。

【比較表:未払い残業代等の弁護士費用】

費用の種類

法テラス”あり”

法テラス”なし”

実費

20,000円

20,000円

着手金

110,000円

210,000円

成功報酬

400,000円

380,000円

合計

618,000円

610,000円

不当解雇を争う事案で法テラスを使った場合、着手金は相場の半額以下まで安くなりますが、成功報酬を加味すると全体としてほぼ同じ金額におさまります。

②未払い残業代等を請求する場合の弁護士費用

  • 例:残業代:退職金300万円、残業代未払い100万円の支払いを求めて訴訟し、最終的に全額の400万円を回収した。

【比較表:未払い残業代等の弁護士費用】

費用の種類

法テラス”あり”

法テラス”なし”

実費

20,000円

20,000円

着手金

110,000円

230,000円

成功報酬

400,000円

390,000円

合計

530,000円

610,000円

着手金は相場の半額以下まで安くなりますが、成功報酬を加味すると全体としては約15%ほど安くなる形となります。

7.その他の法的トラブルの弁護士費用

1)刑事事件の弁護士費用

法テラスでは、そもそも刑事事件に関する相談や依頼を弁護士にすることはできません

無料相談ができないのはもちろん、弁護士費用が安くなったりすることもありません。

たしかに、法テラスは、「国選弁護人」というお金のない被疑者・被告人のために動く弁護士を選定する業務の一部を担っています。

ですが、その窓口自体が市民に一般公開されることはなく、あなたが法テラスを通じて、刑事事件の依頼を弁護士にすることはできないのです。

例えば、電話で「夫が逮捕されました!国選弁護人をつけてください」などと連絡しても、法テラスは対応してくれないので注意が必要です。

2)成年後見申立の弁護士費用

成年後見(法定後見)」とは、認知症など判断能力が不十分な方の財産管理や身の回りの監護をする後見人を家庭裁判所が選任する仕組みです。

法定後見には、判断能力の衰えのレベルに応じて「後見」「保佐」「補助」があります。

申立の手続きは、対象となる本人の住所地を管轄する家庭裁判所へ申し立てます。

その申立にかかる弁護士費用は、法テラスを使うと108,000円です。

【弁護士費用の料金基準:成年後見申立】

実費

着手金

合計

20,000円

88,000円

108,000円

  • 原則、成功報酬は発生しません。

なお、家庭裁判所の判断で、本人の判断能力の低下具合について「鑑定」を行う場合があります。

鑑定費用はあなたの負担になり、鑑定費用の相場は10万円程です。

法テラスでは、523,808円までを上限として法テラスが立て替え払いしてくれます。

立て替えてもらった鑑定料については、法テラスに対し月々5000円〜の範囲で分割払いする形となります。

3)時効援用の弁護士費用

借金の文脈における「(消滅)時効の援用」とは、時効期間の経過を理由に、借金の返済義務が消滅していることを貸金業者などに伝えることです。

時効の援用に成功すれば、その貸金業者等からの借金をゼロにできます

時効の援用は、内容証明郵便を使うことが多いです。

法テラスでは、前述のとおり、あなた名義での内容証明作成の弁護士費用は、1通あたり2,200円【税込】となります。

債権者ごとに時効を援用する旨の書面を作成する必要があります。

ですが、担当弁護士が許容する限り、債権者の数にかかわらず、消滅時効援用の書面は、2,200円【税込】で作成してもらえます。

例えば、3社分の時効援用の書面を作成してもらっても、一律に2,200円【税込】で済むことがあります。

【弁護士費用の料金基準:時効の援用】

書面の数

法テラス”あり”

法テラス”なし”

1通

2,200円

30,000円

  • 郵送費用は別途かかりますし、郵送手続きもご自身でやる必要があります。

ただし、時効援用のための書面を作成するにとどまらず、貸金業者等との交渉まで依頼する場合、または、弁護士名義での書面作成を依頼する場合には、下記の報酬テーブルが適用されることには注意が必要です。

【弁護士費用の料金基準:時効の援用(交渉)】

債権者数

(借入先の数)

実費

着手金

合計

1〜2社

10,000円

33,000円

43,000円

3〜4社

15,000円

49,500円

64,500円

5〜6社

20,000円

66,000円

86000円

7〜8社

20,000円

88,000円

108,000円

9〜10社

25,000円

110,000円

136,000円

11~20社

25,000円

154,000円

179,000円

21~40社

30,000円

176,000円

206,000円

41社以上

35,000円

198,000円

233,000円

4)示談交渉の弁護士費用

示談交渉」とは、離婚や不動産などの法的トラブルを裁判外の話し合いで解決することを

いいます。

示談交渉における弁護士費用は、依頼する事件が「簡易な事件」かどうかで金額が決まります

「簡易な事件」とは、弁護士が相手方にする電話や書面を通じた1・2回のやりとりで解決するような事件をいいます。

【弁護士費用の料金基準:示談交渉】

処理の難易度

実費

着手金

合計

簡易な事件

10,000円

38,500円

48,500円

それ以外

20,000円

88,000円

108,000円

  • 成功報酬は、原則として88,000円 or 回収金の10%(いずれか大きい方)です。ただし、取得した財産が3000万円を超える部分については、超える部分の6%【税別】を加算します。

法テラスを使う場合、「簡易な事件」であれば48,500円で示談交渉を弁護士に依頼できる計算になります。

5)交通事故の弁護士費用

「交通事故」が起きた場合、基本的には、被害者と保険会社との示談交渉から始まります。

示談交渉の結果に納得できない場合、訴訟へ移行していく形が通常です。

この実務に合わせて、法テラスを使った場合の交通事故の弁護士費用は、被害者・加害者問わず、「示談交渉」と「訴訟」の場合とで異なります

まず、交通事故の「示談交渉」にかかる弁護士費用は108,000円です。

【弁護士費用の料金基準:交通事故(示談交渉)】

実費

着手金

合計

20,000円

88,000円

108,000円

  • 成功報酬は、原則として88,000円 or 回収金の10%(いずれか大きい方)です。ただし、取得した財産が3000万円を超える部分については、超える部分の6%【税別】を加算します。他方で、金銭を請求される側の場合、相手方の請求を排斥できたときの成功報酬は、着手金の7割(61,600円)です。

これに対して、「訴訟」にまで発展した場合の交通事故における弁護士費用は、最低91,000円〜になります。

【弁護士費用の料金基準:交通事故訴訟】

訴額

(得られる経済的利益)

実費

着手金

合計

50万円未満

25,000円

66,000円

91,000円

50万円以上100万円未満

35,000円

99,000円

125,000円

100万円以上200万円未満

35,000円

132,000円

167,000円

200万円以上300万円未満

35,000円

165,000円

200,000円

300万円以上500万円未満

35,000円

187,000円

222,000円

500万円以上1000万円未満

35,000円

220,000円

255,000円

1000万円以上

35,000円

242,000円

277,000円

  • ※成功報酬は、原則として88,000円 or 回収金の10%(いずれか大きい方)です。ただし、取得した財産が3000万円を超える部分については、超える部分の6%【税別】を加算します。他方で、金銭を請求される側の場合、相手方の請求を排斥できたときの成功報酬は、着手金の7割です。

なお、訴訟にかかる弁護士費用は、示談交渉で弁護士に支払う報酬とは別個に発生するのが原則です。

ただ、示談交渉から訴訟にまで至った場合には、弁護士の活動実態としては重なる部分があります。

そのため、示談交渉から訴訟へ移行した場合の「交通事故訴訟」での弁護士費用は、上記表記載の金額よりも50%程度減額されることがあります(関連減額)。

もっとも、実務的には、少なくとも被害者側においては「弁護士費用特約(弁特)」により、法律相談10万円まで、示談交渉・訴訟の弁護士費用が最大300万円まで補填されます。

弁特を使える場合、そもそも1円も支払うことなく弁護士に示談交渉等を依頼できます

そのため、法テラスを調べる前にまずは、あなたの保険会社に電話をして弁護士費用特約の有無を確認するのが先決でしょう。

6)控訴の弁護士費用

控訴」とは、第1審の判決に不満がある場合、改めて審理して欲しい旨の申立てを高等裁判所へ行うことです。 

第2審である控訴審での弁護士費用は、第1審での「事件の性質」に応じ、これまで解説してきたのと同じ報酬テーブルが使われます。

ですが実際には、1審で敗訴した場合の控訴審では、法テラスは使えないことが多いです。

なぜなら、法テラスの利用条件として「勝訴の見込み」が求められるところ、1審で負けている場合、控訴審でも勝ち目が薄いと法テラス側が判断することが多いからです。

この場合、控訴審での弁護士費用は自腹になります。

7)強制執行の弁護士費用 

強制執行」とは、裁判で得た勝訴判決などをもとに、判決等に従わない相手方の財産を強制的に取り上げる手続きをいいます。

法テラスを使う場合、86,000円で強制執行手続きを依頼できます

【弁護士費用の料金基準:強制執行】

実費

着手金

合計

20,000円

66,000円

86,000円

  • 成功報酬の金額は、本案とまとめて判断されます。

8.弁護士費用が無料になる場合(免除)

法テラスを使うと、弁護士費用がおおむね半額程度にまで安くなりますが、当然には無料になりません。

ですが、生活保護受給者をはじめ、経済的に特に苦しい状況にあることを証明できれば、弁護士費用を「免除(0円になること)」してもらえる場合があります。

弁護士費用の免除について詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。

まず、生活保護を受けている方であれば、以下の書類を法テラスへ提出するだけで、弁護士費用が免除されます。

【生活保護受給者の免除申請書類】

  • 償還免除申請書

  • 生活保護受給証明書(直近3カ月以内)

償還免除申請書のひな形は、以下よりダウンロードできます。

→「償還免除申請書」はこちら

次に、生活保護受給者以外の方でも、生活保護に匹敵する経済状況にある場合には、弁護士費用を免除してもらえます。

その場合の詳しい条件や手続きについては、下記記事を合わせてご覧ください。

9.法テラスを利用すべきか?

法テラスは利用すべき?メリット・デメリットとは

法テラスを使うと弁護士費用が相場の半額程度まで安くなりますが、法テラスのメリットはそれに限りません。

他方で、法テラスにはメリットばかりでなく、デメリットや注意点が複数あります。

法テラスのよい面・悪い面を確認することで、あなたが法テラスを利用すべきかがわかります。

1)法テラスのメリット

①法律相談の費用も無料

法テラスでは、弁護士に案件の解決を依頼する前の「法律相談」を無料で受け付けています。

1回30分の法律相談を合計3回(90分)まで無料で行えます。

法律相談の費用相場が30分5,500円【税込】のため、90分も無料になる法テラスは破格です。

②弁護士費用を立て替え払いしてくれる

弁護士に案件を依頼する際には本来、弁護士費用(着手金・実費)を「前払い」する必要があります。

これに対して法テラスを使った場合、弁護士に支払うべき弁護士費用を法テラスが立て替え払いしてくれます

その結果、あなたは一切弁護士費用を支払うことなく、弁護士に依頼して活動してもらうことができます。

③弁護士費用の返済が分割払いになる

もっとも、法テラスがするのはあくまでも「立替え」です。

あなたは最終的に法テラスに対して立替え分の弁護士費用を返済する必要があります。

このときの返済金額を毎月5,000円か1万円の分割払いにしてくれるのが法テラスのもう一つのメリットになります。

2)法テラスのデメリット

他方で、法テラスには3つのデメリットもあります。

①利用条件をクリアしないといけない

法テラスは経済的に余裕のない方のみが利用できるため、収入などに関する利用条件が課されています

誰でも相談できてしまう市役所の無料法律相談などと比べると、利用条件があることはデメリットといえます。

②書類審査に時間と手間がかかる

しかも条件を満たすかの判定については、書類審査が行われます。

住民票をはじめとした証明書類が複数あるため、それを集める手間がかかります。

審査はスムーズに行けば2週間ですが、書類の不備や祝日などをはさむと1ヶ月ほど審査結果が出るまでかかります。

すぐに解決したいと考える方にとっては、この待ち時間は見逃せません。

③弁護士を原則として選べない

法テラスでは、担当弁護士がランダムで決まります。

離婚に強い弁護士といったように、弁護士の専門性を選ぶことができません

長い付き合いになる弁護士との相性や専門性は、時にお金よりもシビアな問題となりえます。

もっとも、後で説明する「持ち込み方式」という手続きを経由すれば、法テラスのメリットを受けつつ、弁護士を選ぶことができるため、強く問題視すべきことではありません。

3)法テラスはこんな人におすすめ

以上を踏まえると、法テラスの利用条件を満たしている前提なら、安さ重視で、かつ弁護士が動いてくれるまで最大1ヶ月待たせれても問題ない方には法テラスを強くおすすめします。

他方で、価格よりも弁護士の質や相性を重視し、今すぐ弁護士に動いてもらいたい方には、法テラスはおすすめできません。

その場合、民間の法律事務所や他の無料相談ができる公的施設を利用するのをおすすめしています。

法テラス以外の相談先についての詳細は、こちらで解説しています。

10.法テラスで弁護士費用を安くするための条件

法テラスは、生活保護受給者などの経済的に苦しい方に法的サービスを届けることを目的としています。

そのため、弁護士費用を安くして立て替え払いをしてもらうためには、あなたが経済的に苦しいこと(資力基準)も含めた3つの利用条件をクリアする必要があります

1)資力基準

資力基準」とは申込者と配偶者の収入・資産の合計が、一定の基準を下回っているかを確認するための条件です。

法テラスは相談料や弁護士費用を捻出できない方向けの支援施設なので、「お金に余裕のある」人を落とし、「余裕のない」人だけが利用できる形となっているのです。

あなたが「資力基準」を満たすかを確認するための表が以下3つあります。

お住まいの地域が、東京23区、それとも「生活保護の一級地」といって家賃等が比較的高めのエリアなのか、あるいはそれ以外かによって見るべき表が決まります。

【資力基準】

​​東京23区

同居の家族

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がない場合

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がある場合

資産要件(預金など)

単身者

20万200円以下

25万3,200円以下

180万円以下

2人家族

27万6,100円以下

34万4,100円以下

250万円以下

3人家族

29万9,200円以下

38万4,200円以下

270万円以下

4人家族

32万8,900円以下

42万900円以下

300万円以下

​​東京23区以外の「生活保護の一級地」

同居の家族

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がない場合

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がある場合

資産要件(預金など)

単身者

20万200円以下

24万1,200円以下

180万円以下

2人家族

27万6,100円以下

32万9,100円以下

250万円以下

3人家族

29万9,200円以下

36万5,200円以下

270万円以下

4人家族

32万8,900円以下

39万9,900円以下

300万円以下

上記以外の地区

同居の家族

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がない場合

手取り収入

家賃or住宅ローン

の負担がある場合

資産要件(預金など)

単身者

18万2000円以下

23万3,000円以下

180万円以下

2人家族

25万1000円以下

30万4,000円以下

250万円以下

3人家族

27万2000円以下

33万8,000円以下

270万円以下

4人家族

29万9000円以下

37万円以下

300万円以下

あなたの収入・資産が表の金額以下であれば、法テラスを利用できます。

他方で、金額を上回っている場合には「経済的に余裕がある」と判断され、法テラスを利用できません。

資力基準の表の見方を含めた利用条件の詳細については、以下の記事を合わせてご覧ください。

2)民事法律扶助の趣旨に適していること

法テラスを利用する目的が「民事法律扶助の趣旨」に合致している必要があります。

これは、弁護士に依頼する目的が相手への単なる嫌がらせや怨恨、報復感情を満たすためだけの人を排除するための条件です。

嫌がらせ目的「のみ」で依頼する人を締め出す条件です。

そのため、権利を実現するという正当な目的と併存する形で嫌がらせ目的を持っていたとしても、問題なくこの条件はクリアできます。

3)勝訴の見込み

勝訴の見込み」とは、弁護士による示談や裁判などを通じて、紛争を解決できる見込みがあるのかを確認するための条件です。

全く根拠のない主張に対して法テラスが動くわけにもいかず、あなたの言い分を支える翔子なりがある程度あり、紛争解決の見込みが「ある程度」あればクリアできます。

以上3つの利用条件を満たすことではじめて、法テラスに弁護士費用を安くした状態で弁護士に依頼でき、かつ、立て替え払いまでしてもらえます。

ただし、これらの利用条件の有無は、法テラスによる「書類審査」で判断されます

次の項目では、書類審査を通過する上での必要書類についてカンタンに触れます。

11.書類審査と必要書類

弁護士費用を安くしつつ、立て替え払いまでを法テラスに依頼する場合、3つの利用条件を満たしているのかについて、書類をもとにチェックされます。

必要書類の多くは、あなたが経済的に余裕のないことを示すための「収入や資産」に関する証明書(例:給与明細)や家庭の状況を示す「住民票」などの書類です。

【審査の必要書類の例】

書類の種類

提出が必要な人

備考

資力を証明する書類

収入がある人

具体例

給与明細・賞与明細

源泉徴収票

課税証明書or非課税証明

確定申告書の写し

生活保護受給証明書

生活保護受給者

援助申込みから3ヵ月

以内に発行されたもの

世帯全員の住民票の写し

全員

本籍、筆頭者及び続柄の

記載のあるもの

※マイナンバーの記載がないもの

上記の他にも、あなたの働き方(例:アルバイト、正社員)に応じて、必要な書類が複数あります。

書類審査の必要書類や審査の流れについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

無事に審査を通過できた場合は、契約する弁護士を通じて法テラスから連絡が届きます。

それによって、弁護士費用が安くなり、かつ、その費用の立て替え払いが認められます。

12.法テラスを利用し弁護士に依頼するための手続き

法テラスに魅力を感じ利用したいと感じたら、以下2つのやり方で法テラスを利用できます。

【法テラス2つの利用方法】

  • 法テラスの施設で相談する

  • 法テラス契約弁護士の事務所へ直接相談する(持ち込み方式)

「法テラスの施設で相談する方法」は、法テラスに電話するだけで利用できる方法です。

手間をかけずに法テラスを利用できるのがメリットです。

これに対し「持ち込み方式」は、法テラスと契約した弁護士のいる事務所を自分で探し、その弁護士があなたに代わって法テラスとやりとりをしてくれる方法です。

弁護士を探す手間はかかりますが、相談する弁護士を自分で選べるメリットがあるため、マチベン編集部としては持ち込み方式をおすすめしています。

法テラスの利用手続きについて詳しく知りたい方は、以下の記事を合わせてご覧ください。

1)法テラスの施設で相談する方法

法テラスへの予約 (法テラスの施設で無料相談する場合)

「法テラスの施設で相談する方法」は、手間のかからない、オーソドックスな利用方法です。

【法テラスの施設で無料相談する流れ】

  • 法テラスのサイト内で行きやすい「最寄りの法テラス」を探す

  • 予約の電話をする

  • 予約した日時に法テラスの施設へ行き相談する

まず、法テラスのサイト内で最寄りの法テラスを見つけましょう。

電話番号がそれぞれ書かれているので、そこに予約の電話をします。

電話をすると、専門オペレーターが出て、お悩みの内容と資力基準などを満たしているのかのカンタンなヒアリングが電話越しにされます。

その後、相談希望日時を伝えると、専門オペレーターが都合の合う弁護士をランダムで割り当ててくれ、予約は完了です。

相談当日には、指定された法テラスの施設へ10分前には着くように向かってください。

相談した結果を踏まえて、法テラスを通じて割安な価格で弁護士に依頼し、費用の立て替えを希望するのかといったことを判断します。

自分一人で判断するよりも、無料相談の時間を活かして、担当してくれた弁護士と話し合いながら検討するといいでしょう。

2)持ち込み方式

法テラスの利用手続き「持ち込み方式」

持ち込み方式」では、法テラスの施設ではなく「法テラスと契約している」弁護士事務所に予約を入れ、その弁護士事務所で相談します。

【持ち込み方式の流れ】

  • 「法テラス契約弁護士名簿」から弁護士を探す

  • 契約弁護士の事務所に電話する

  • 「法テラス利用で無料相談したい」という旨を伝え、了承があれば相談を予約

  • 弁護士事務所へ行き相談をする

まず「法テラス契約弁護士名簿」という法テラスと提携する弁護士が記載されたリストから弁護士を探します。

あなたの自宅から行きやすい地域で活動していて、お悩みについて専門性のある弁護士を選ぶのがいいでしょう。

なお、「ひまわりサーチ」という日弁連という組織が運営するサイトからも、法テラス契約弁護士を探せます。

気になる弁護士事務所が見つかったら、書かれた番号に電話をします。

事務員が出るので、「法テラスを使って無料相談したい」旨を伝え、事務所側が了承すれば相談の予約は完了。

電話の応対から、この事務所は親切そうか、丁寧かなどを見て相談するかどうか見極めましょう。

相談日当日は、弁護士事務所へ行き、担当の弁護士に相談をします。

その事務所の弁護士に依頼すると決めたら、その弁護士が法テラスへの利用申し込みをしてくれます。

あなたは特に法テラスとやりとりする必要はありません。

13.法テラス以外で弁護士費用を安く抑える方法

法テラス以外で弁護士費用を安く抑える方法(3つの無料相談先)

「弁護士費用を安く抑えたい」という方のうち、法テラスの利用条件を満たす方は、法テラスを利用するのがおすすめです。

他方で、法テラスを利用できるほどに経済的に苦しくない方は、どうすべきでしょうか。

法律相談料まで含めて弁護士費用と捉えるなら、まずは市役所・弁護士会など「法テラス以外の無料相談できる公的施設」を利用しましょう。

少なくとも相談料だけなら無料になります。

ですが、法テラス並に弁護士費用を安くしてくれる施設は、現状ではありません。

そのため、どうしても弁護士費用をカットしたいなら「弁護士から解決方法を無料で聞きながら、自分でやる」方法をおすすめします。

ネット上でも、お悩みの解決法や法的な書面の作り方の情報が充実してきています。

それを調べて知識を蓄えつつ、戦略や細かい疑問点については、以下の「無料相談できる施設」での相談を通じて解消していきましょう。

以下では、法テラス以外で弁護士に無料相談する施設・方法を紹介します。

【法テラス以外の無料相談先3選】

  • 気軽に無料で相談したい→「市役所

  • 専門性のある弁護士に相談したい→「弁護士会

  • 丁寧に対応してもらいたい→「民間の法律事務所

1)市役所(区役所)

市役所(区役所)での離婚に関する弁護士への無料相談

お住まいの地域にある「市役所(区役所)」では、市民(区民)向けに弁護士による無料法律相談サービスを提供しています。

地域によって多少の差はありますが、おおむね市役所(区役所)によるサービスの特徴は以下の通りです。

【市役所(区役所)での無料法律相談の特徴】

  • 利用条件なしに無料相談できる

  • 相談時間は1回につき20分〜30分

  • 年1回しか相談できない

法テラスとは違って、市民(区民)であれば誰でも無料相談できるという意味で、利用条件のない点が大きなメリットです。

しかも、市役所(区役所)であれば何度か足を運んだ経験もあるでしょうから、法テラスや弁護士事務所へ行くよりもハードルが低い点も魅力的です。

ただし、無料相談は年1回しかできない市役所(区役所)が多いため、じっくり何度も相談できない点はデメリットです。

市役所(区役所)を活用するなら、事前に相談したい事項をまとめて、短い相談時間を活用するための準備をしておくとよいでしょう。

以上を踏まえ、市役所(区役所)は、弁護士事務所へ行くのは気が引けるため、短い時間でもいいから気軽に無料相談したいと考えている方におすすめです。

なお、市役所(区役所)での無料相談でできること、メリットや注意点についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をあわせてご覧ください。

2)弁護士会

弁護士会での無料法律相談

弁護士会が運営する法律相談センターという施設で無料相談する方法があります。

弁護士会」とは、日本で活動する弁護士が加入する団体で、都道府県単位で配置されています。

例えば、大阪なら「大阪弁護士会」、神奈川なら「神奈川県弁護士会」といった具合です。

各地域の弁護士会は、お悩みごとに専門性のある弁護士を抱えています。

専門性が高いために、その弁護士への相談は原則として有料です。

ですが、一部のお悩みに限定して、無料で法律相談できるサービスも提供しています。

【弁護士会の無料相談の特徴】

  • 専門性の高い弁護士に相談できる

  • その代わり、相談できるお悩みは一部に限る

  • 電話での無料相談を積極的に行っている

弁護士会の最大の特徴は、「離婚に強い弁護士」「借金に強い弁護士」といった専門性の高い弁護士に相談できることです。

一部に限られるとはいえ、専門性の高い弁護士に相談できるのは安心感があります。

しかも、対面ではなく「電話相談」であれば広く無料相談できることが多いです。

以上を踏まえ、無料で相談できるお悩みを抱えていて、専門性の高い弁護士に相談したいという方であれば、弁護士会の無料相談をおすすめします。

3)民間の法律事務所

民間の法律事務所での無料法律相談

「民間の法律事務所」のうち、初回相談を無料にしている事務所で相談する方法があります。

多くの事務所は1回の相談につき30分5,500円【税込】と有料です。

ですが、一部の法律事務所では「初回相談を無料」にするサービスを提供しています。

そのサービスの特徴は、概ね以下の通りです。

【初回相談無料の法律事務所の特徴】

  • 初回相談のみ無料

  • 相談時間は1回につき30分〜60分

  • 電話・LINEなどの多様な相談方法がある 

借金・離婚・相続などの分野では、30分〜60分の範囲内で、弁護士による無料相談を提供する事務所が増えています。

しかも、相談方法が多様で、電話はもちろん、LINEで相談できる事務所もあります。

何より、法テラスや市役所などとは違い「商売」でやっているため、顧客対応もしっかりしている事務所が多いです。

そのため、比較的長い時間をとって丁寧に話を聞いてもらいたい方は、初回相談無料の法律事務所へ行くのをおすすめします。

4)新サービス『マチベン法律相談』

マチベン法律相談のバナー

弁護士に無料相談する方法としておすすめの新サービス「マチベン法律相談」を最後に紹介しておきます。

「マチベン法律相談」は、実際に法テラスなどの施設に出向く必要がなく、スマホ完結で簡単に弁護士に無料相談できるQ&Aサービスです。

千葉県市役所の無料法律相談は利用回数の制限や応募が多数の場合には抽選になることがあります。

【マチベン法律相談のメリット】

  • スマホ完結なので気軽に相談できる

  • 24時間いつでも、何度でも質問できる

  • AIが質問作成をアシストしてくれる

  • それなのに「完全無料!」

24時間どんな場所からでも、また何度でも相談できます。

完全無料で使えるので、法テラスへ相談に行く前でも、後でも、必ず役立つはずです。一度ぜひご活用ください。

『マチベン法律相談』で弁護士に無料相談する

よくある質問

法テラスの弁護士費用に関しよくある質問をまとめました。

Q

法テラスで弁護士費用は無料ですか?

法テラスを利用しても弁護士費用が無料になるわけではありません。有料です。ただし、弁護士費用の価格は、相場の約半額まで安くなります。また「免除」の申請をして、その審査に通過できれば、弁護士費用を無料(0円)にすることもできます。免除について詳しく知りたい方は「​​法テラスの弁護士費用の免除とは?生活保護受給別の必要書類も解説!」をご覧ください。

まとめ

これまで、法テラスを利用した場合に弁護士費用がいくらになるのか?を中心に解説してきました。

結論、法テラスを使うと相場の約半額まで弁護士費用が安くなります

お悩みやトラブルの内容ごとに多少の差はありますので、具体的な費用感については、下記からご確認ください。

【お悩み別の弁護士費用】

これだけお得な法テラスを利用するには、資力基準をはじめとした3つの条件を満たす必要があります。

生活保護受給者をはじめ、経済的に苦しいことを示す資料を集めて提出し、審査を受ける必要があります。

利用条件についての審査をクリアできる方については、法テラスの利用を強くおすすめします。

一方で、法テラスの利用条件を満たさないものの、弁護士費用を節約したい方は、市役所などの無料相談できる他の施設を検討してください。

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